サービスをうけるということ。
バンドを組んで音楽活動をする場合、
ライブとライブへの出演料(ノルマ)に注目すると以下のような流れをたどります。
1.ライブハウスに出演したい旨を伝える
2.音源などでライブハウスが審査
3.OKであればオーディションライブ(※オーディションがないライブハウスもある)
→出演料:必要
4.オーディションが合格ならそのライブハウスに定期的に出演(ブッキングライブ)。不合格ならまた繰り返し。
→出演料:必要
5.他のライブハウスにも1~4の流れで出演を依頼する。
6.イベントに誘われるようになる。
→出演料:必要な場合と必要でない場合がある
僕が今日、注目したいのは
6の出演料が「必要な場合」と「必要でない場合」の境界についてです。
簡単に言うと以下のとおりだと僕は思っています。
[必要な場合]
イベント主催者からするとメインのアーティストがいて
そのアーティストと共演させると面白そうだと思う
アーティストであったり、単純に枠に空きがある等の場合です。
CDデビューしていたり、知名度が高かったりといったアーティストは
もちろんこちらに含まれません。
[必要でない場合]
勘のいい方であればお気づきだと思いますが『必要な場合』の逆となります。
このアーティストに絶対に出てもらいたい!
出てくれれば集客が見込めてイベントも有名になるかもといった場合です。
目玉アーティストに対しては出演料掛けず、
逆にギャラを払ってでも出てもらうこともあるくらいです。
このことからわかることは出演料の要否を決めるのは
「イベント主催者」
であるということです。
前々からブログでも書いておりますが僕の会社で
ライブイベントブッキングサービス「Unity」を運営しています。
最近、出演者を募集しているイベントも増えてきたので
アーティストの方に出演しませんか?とお誘いのメールをさせて頂いています。
そのときアーティストの方から
「出演料(ノルマ)のかかるイベントには出演しておりません」
と返信をいただくことがあります。
そのことについては何も問題があるとは思いません。
僕もバンドをやっていますので
それくらいプライドを持ってやったほうがいいのかなーとも思ったります。
もちろんライブハウスと交渉するのも
我々の役目でそれでもよいと思っているのですが
しかし前述のように出演料を決めるのは「イベント主催者」です。
アーティストが「出演料(ノルマ)の要否」でイベント出演を判断するというのは
僕にとってはどうしても違和感があるのです。
物を買う場合を考えてみるとわかりやすいと思います。
たとえばタンスを買う場合。
もちろんレジで代金を支払いますよね。
「僕が使うと人気が出るからタダでください!」
なんていいませんよね。頭がおかしいと思われます。
ライブへの出演料というのはライブに出演するために支払う代金です。
結局僕は「どこまで覚悟があるか」だと思っているのですが
本当にライブがしたい!音楽がしたい!と覚悟が出来ている人なら
お金を払って何が何でもライブしたいはずだと思っています。
ある千葉のライブハウスの社長の方も
「最近は出演料を掛けるとバンドが集まらないんだよー」
と嘆いておられました。
今日の話はライブハウスという音楽活動の原点となる場所の話です。
どちらがサービスを提供する側かがあいまいになっているような気がして
ちょっと僕の思いを書いてみました。
真面目な話、現代のライブハウスが衰退している一因なのではとも思っています。
最後に上にも書いていますが
別にアーティストの方針なので
「出演料(ノルマ)の要否」で判断することが問題とは言っておらず
あくまで僕にとっては違和感だと言っているだけなので念のため。
くろ
ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53)
posted with amazlet at 12.06.13
宮入 恭平
青弓社
売り上げランキング: 187742